地方通関士のとある1日

実録!!若手通関士のリアルな働き方とは・・・

07:30am 出社

なんと早い時間に!とお思いの方も多いだろう。私は女性なのだが、女性社員は当番制で始業時間前に掃除をしなければいけないので、この会社では女性というだけで早めに出てこないといけない。そして早出して掃除しても早出残業はつかない。今日の私はお茶当番(もちろん女性だけで回してる当番)に当たっているので、朝の掃除は免除。ダンカグやったり読書したりして有意義に過ごす。

08:00am 始業

部署の簡単なミーティングで始業開始。Google Calenderを開いて、今日締めの業務を確認する。・・・輸入申告1件、だと?あれ、今日輸入なんてあったっけな・・・。デスクの書類を一通り確認する。あったわ。ってか申告書作って満足して放置してたわ。チェックにも回してねえわ(弊社は申告前に通関士2名の審査が必要だ!)。先輩方は早速外出し始めたわ。やべ、至急誰かに見てもらわんと。

09:00am 昨日の夕方来てた依頼を捌いて捌いて捌きまくる〜

某クーリエサービスのAWBとインボイスを作って作って作りまくる。お客さんに送りつける。量多くて集荷大変そうだなぁとすでにしんどくなる(私が自分で集荷して某クーリエサービスに引渡ししなければならないのだ)。

10:00am なんか雲行きが、怪しくなってきたよ〜

お客さんから事前に一報もらっていた輸出の案件が正式に入る。しかし、メールで確認してたこと(取引条件やらなんやら)となんか若干違うような・・・?ビビリなので在宅勤務中のお客さんにソッコー電話して聞く。ううむ、どうやら半分くらいお互いの認識がズレていたようだ。メールだけのコミュニケーションって、ちょっと自分に都合の良いように解釈してしまうなぁ。ツメが甘かったと反省する。結局提示した条件で行けそうなので良かった。かなりの量の貨物を集荷することになるので、集荷に使用している社用車のトランク部分を念の為実際に測って確認する。載る・・・よね?

11:00am 気づいたら昼前

午前はどこに消えた?というくらいあっちゅー間にこんな時間になる。昨日バン詰めした案件のACL(本日CUT)を必死こいて作る。まあまあな数のコンテナ情報入力するのダルい〜。チェックをお願いした輸入申告書が戻ってきたのでソッコー申告した。

11:30am お茶当番

コンテナ情報を全て入力したACLのチェックもそこそこに、そろそろお茶を作り始めなければならない。お茶当番とはなにか?その名の通り「お茶を作る当番」だ。きちんとした給茶機が職場にあるような方には、全くもって意味不明だろう。私も入社当時は意味不明だった。まず弊社には給茶機がない。そして電気ポットはあるにはあるものの、容量が小さいものがたった1つあるだけだ。お茶を作るために、まず給湯室の2口ガスコンロで、やかんに火をかけてお湯を沸かすのだ。そして4〜5名用の急須に日本茶の茶葉を入れて、沸かしたお湯を入れて、お茶を作る。そして男性社員のマグカップや湯呑みに日本茶を注ぎ、給湯室に並べておく。これを昼休み前までに必ず終わらせなければならない。所要時間は凡そ30〜40分間だ。

そう、だいぶふざけた業務だ。入社時にこれはおかしいと声をあげたが、「偉いおじさん達が『女の子が淹れたお茶が1番美味しいから給茶機なんて導入したくない』と言ってるから・・・」と即ハネられてしまった。これを男女差別と言わずしてなんと言うのか・・・。何が『女の子が淹れたお茶』だよ、茶道の第一人者は千利休っていうれっきとした男性だよ、男が作ろうが女が作ろうが味変わんねーよ。

この暑い中ガスコンロの近くで作業をしていたら当然汗だくになる。ああ、辛い・・・。そして何が余計に辛いって、この狭い給湯室の入り口で、私がお湯を沸かす前からお茶を淹れている今の今まで、20代前半の若い女性社員(いわゆるバックオフィス業務をする社員)2名が、業務に到底関係のなさそうな雑談をず〜〜〜〜〜っと続けていることだ。ピーチクパーチクキャピキャピキャッキャッ・・・いやもう30分以上雑談しとるやんけ!!絶対に暇じゃん!!私はお客さんから来てるメールをいくつか無視したまま、こんな訳のわからん業務をしているというのに・・・。いやもうさ、このお茶当番ってのは、こういうめちゃくちゃ暇そうな社員だけでまわしてもらえませんかね?

というか、お茶当番の是非は一旦脇に置いておくとして、この場合の問題点ってあれなのよね・・・彼女達を指導する人がいないこと。上司がオッサンで、「女の子は仕事頑張らなくても良いよ」みたいなスタンスだったら、まぁ彼女達に業務を詰め込んだり、「雑談が長い!」と叱責したりもしないのよね。社内では他人からの見られ方に注意を払いましょう、なんていう新卒の時に教わるようなことを、全く誰からも教わらないまま入社して2〜3年が経ってしまったのよね。こういう入社してから放置されてしまった、他社で使えるようなスキルもノウハウもないバックオフィスの女性って、今後どうするんだろう・・・。もし結婚できず、家庭に入れなかったら、スキルがないのでいきなりバリキャリを目指すこともできず・・・。こんなぬるい会社員人生ヤバいかも?!っていう危機感は抱かないのかな。まぁきっと結婚して労働市場からは撤退するのでしょう、多分。知らんけど。

12:00 仕出し弁当大好き

お弁当を食べて昼寝しようとしたけど、結局イライラの昂りがおさまらなかったのでうまく寝付けなかった。

01:00pm お昼休みオタワ

お茶当番は食堂の湯呑みを片付けなくちゃいけないので、食堂へ。片付けを終えてメールチェック、返信、今日の輸出案件は全部CYに搬入されたかな?NACCSをポチポチ・・・。今日がCUTだから早めに入ってくれ〜

02:00pm 一息

輸入が許可になり、なんとかひと段落着いた。優雅に缶コーヒーでも買って飲もう。缶コーヒー飲みながら申告書作ろう。

03:00pm 嫌な予感が当たってしまう

な・ん・と・な・く、午前のあの「メールだけで自分に都合の良いように解釈して失敗」が引っかかっていて、既にインボイス等の書類を作成し終わって準備万端な案件も、念の為お客さんに最終確認しておく。実績通りに作ってるしさすがに大丈夫だよね、と思っていた。が!なんと、実績通りではなかった案件があった!書類を全部作り直さねば!!ぎゃああああああああああああ・・・!!!!それ依頼書に書いといてくれよ〜!!!送ったインボイスの中身きちんと確認してくれよ〜!!!お客様ああああああああ!!大至急作り直さねあばばばばば

04:00pm ACLは送ってからが本番みたいなとこある

そろそろヤバい!と思い、ACLを本送信★早速船社代理店から何やら電話がかかってきたよ!もちろん、ACL至急直せっていう連絡だよ。荷主に直していいか確認をとるために電話・・・在宅勤務中申し訳ないけど、今すぐ出てくれ!出た!のは良いけど、そこは直さないと突っぱねる荷主。いやん、もう知らない。いやもちろん船社代理店に言うけども、そのまま。荷主の代わりに。間に立たされる悲しき立場よ。

05:00pm 終業

明日は土曜日、でも出勤日なので、今日中じゃなくても良い仕事は明日にまわして定時退社。

以上!

もちろんこの他にも様々な業務を細切れの時間にブチ込んでやっているよ。電話応対やら他部署との連携やらもあるしね。そういえば「通関士の1日」なんて、タイトル詐欺も甚だしい。これは通関業務以外のこともしなければいけない(いわば個人商店みたいな働き方してる)通関士の1日だ!ろくに申告書作ってねえじゃねえか!通関しかしない通関部門って、エキスパートの集まりって感じがしてちょっと羨ましい・・・。といいつつ、私は割と外出が好きなので、集荷や検査に行けなくなるのはしんどいかも。お茶当番はやりたくないけど、社内で新型コロナ感染者が出て湯呑み経由で感染拡大した、みたいなことにならない限りはなくならないのだろう。トラブルが起きなきゃ体制が変わらないの、なんというか、インテリのホワイトカラーが管理職や経営してるとは到底思えないリスクマネジメントなんですけど・・・。地方の物流業者の管理職や経営陣にインテリであれという方が間違っているのだろうか、もしかして。終わり

MathsのXX通信